直径10㎝、高さ４㎝ほどの器です。形は乾漆と呼ばれる技法で作られています。
乾漆とは、器の原型を木材や石膏などで作り、麻布を漆で塗り重ね、土台からひき剥がして器とする、漆器素地の作り方の一つです。
垣沼さんは、漆を塗り重ねる際に、黒漆の他、数種類の緑の漆を塗り重ねています。墨で砥ぎ出すことによって、塗り重ねた緑のグラデーションが層文として表面に浮かびあがってきます。
面取りし、鏡のように磨いた内側、これとは対照的に、漆をたたきつけるように塗ったという外側の面。小さな器にアイデアが盛り込まれた作品です。
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